Q 糖尿病を放置するとどうなりますか?

糖尿病はインスリンの作用が不十分で血液中のグルコース(血糖)が上昇する病気です。血糖が高い状態が続くと様々な病気(合併症)を引き起こします。これは糖が体の蛋白質に結合(糖化)することで本来の働きが悪くなり、主に血管を傷つけることが原因です。

糖尿病の3大合併症は、糖尿病性神経症、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症です。

最初に起こるものは糖尿病性神経症ですが、これは知覚神経が障害されて、感覚がなくなったり、じんじんするような症状や、刺すような痛みを伴います。糖尿病発症後5年以内に起こることが多く、足の感覚がにぶいため怪我をしても気づかないことがあります。

次に起こるものは糖尿病性網膜症です。糖尿病発症後10年位してから起こることが多く、目の中の小さな血管が増殖して破れ、眼底出血を起こして失明することがあります。

3つ目は糖尿病性腎症です。腎臓の働きが悪くなって血液透析が必要になります。

これ以外にも、足の壊疽(足の動脈が閉塞し切断が必要になる)や、心筋梗塞、脳梗塞などの重篤な病気を併発することも多く、認知症や、肺炎などの感染症にもなりやすいことも分かっています。

糖尿病はこの様に重篤な合併症を起こすので怖い病気ですが、糖尿病であっても血糖コントロールをきちんと行っていれば合併症の出現を防ぐことができます。