ヘモグロビンA1cって何?

糖尿病患者さんは、毎回採血を行って、自分のヘモグロビンA1c(エイワンシー)値について、主治医の先生から詳しい説明を受けていることと思います。

糖尿病は血液中の糖(血糖)が高くなる病気であり、血糖を適切な値に保つことが治療の目標となります。

ただ、血糖値は直前の食事の影響を強く受けるため、1回の血糖値だけでは糖尿病の状態を把握することはできません。

一方、ヘモグロビンA1cは過去1ヶ月の平均血糖値と相関するため、採血の際に食事の影響は全く受けず、正確に糖尿病のコントロール状態を見ることが出来、ヘモグロビンA1cの値が低ければ糖尿病のコントロールが良好といえます。

患者さんによっては、主治医に叱られたくないため、受診前の数日間だけ甘いものを控えたりして受診する人がいますが、ヘモグロビンA1cは過去1ヶ月間の平均的な血糖の状態を示しているため、残念ながら受診の直前だけ食事に気をつけても数値は良くなりません。

なお、ヘモグロビンA1cの値が大切なもう一つの理由は、将来糖尿病の合併症が起こる危険を予測できるからです。

ヘモグロビンA1cの値が7%を超えると糖尿病の合併症(神経症、網膜症、腎症)が起こる可能性があります。さらに、ヘモグロビンA1cの値が高ければ高いほど合併症の起こる危険が高くなります。

当院では、ヘモグロビンA1cを院内の器械で測定しますので、採血後すぐに結果がわかります。糖尿病のコントロール状態を迅速に把握することで、すみやかな生活指導や薬剤の調節などを行うことが出来、糖尿病の適切な治療に役立てています。

2020年04月20日