心雑音とは

健診で心臓の雑音(心雑音)があると言われ、二次検査目的で当院を受診する患者さんも少なくありません。
心雑音とは心臓の中を血液が流れるときの音です。
正常な心臓では心臓の弁が閉じるときの音が聞こえますが、中を流れる血液の音は聞こえないため、血液の流れる音が聞こえた場合には雑音が聞こえるといった表現になっています。
心雑音の原因は様々ですが、比較的年配の方では心臓弁膜症のことが多いようです。
心臓弁膜症には、弁が狭くなること(狭窄症)が原因で血液の流れが速くなることで生じる雑音と、弁がきちんと閉じないこと(閉鎖不全症)によって血液が逆流する時に生じる雑音があります。
また、肥大型心筋症や高血圧性心臓病では、心臓の出口の筋肉が厚くなることで血流がはやくなって心雑音が生じます。
若い人で心雑音を指摘された場合には生まれつきの心臓の病気の可能性があります。
これには心臓の壁の一部に穴が開いている心房中隔欠損症や心室中隔欠損症があります。
また心臓に病気がなくても貧血や甲状腺機能亢進症などが原因で血液の流れが速くなることで心雑音が聞こえることもあります。
一方、特に異常がないにも関わらず心雑音が聞こえることがありますが、これは機能性の心雑音と呼ばれ、病気ではなく、また治療も不要です。
心雑音の原因を調べる検査には心臓超音波検査(心エコー検査)があります。
心エコー検査では心臓の内部を見ることができ、心臓の動き、心臓の弁の異常、心臓の肥大などの様々な心臓の病気を見つけることが出来ます。
さらに、カラードプラーと呼ばれる検査では心臓の中の血液の流れまでも見ることが出来ます。
当院でもこれまで多くの心臓の病気が心エコー検査で見つかっており、心雑音があると言われた人は心エコー検査を受けることをお勧めします。

2023年09月05日