脂質異常症の話の続きです。
最近の健診では悪玉(LDLコレステロール)を直接測定することが多く、LDLコレステロールの値が高いときは病院受診(二次検査)を勧められます。LDLコレステロールの正常値は140以下ですが、健診では120以上で2次検査を勧められることもあります。
ではLDLコレステロールが高くて病院受診をしたらどんな検査を行うのでしょうか?
採血してコレステロールが本当に高いかどうかを確認することは必要ですが、専門医ではまずコレステロールが上昇する病気が隠れていないかを調べます。甲状腺機能低下症やネフローゼ症候群(尿に蛋白が多量に出ている病気)などではコレステロールが上昇することが多く、このような病気の治療を行うことでコレステロールの値は正常に戻ることがあります。
隠れた病気がなく、本当にLDLコレステロール値が高ければ、治療を行う必要があるかどうかを判断します。これには年齢、性別や、糖尿病、高血圧などの他の生活習慣病があるかどうか、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの動脈硬化による病気があるかどうかで大きく変わってきます(動脈硬化学会治療ガイドライン)。
脂質異常症の治療は単にLDLコレステロールの値によって画一的に行うのではありません。患者さんによって、治療を行うかどうか、治療目標値なども大きく違ってきます。