糖尿病治療のトレンド

糖尿病の治療の指標としてHbA1c(ヘモグロビンA1c)値を目安にすることが一般的です。

HbA1cは平均血糖値と相関しますので、HbA1cの値が低いほど血糖のコントロールが良好であることを意味しています。最新のガイドラインでは、治療を行っている糖尿病患者のHbA1cの目標値は7.0以下とされていますが、食事・運動療法を行ってもHbA1cが高い場合は薬物療法(経口血糖降下薬やインスリン注射など)を行うことになります。

以前はHbA1cの値をできるだけ下げた方がよいと考えられ、強化療法と呼ばれる薬物療法を行っていた時期もありますが、その結果重症の低血糖が起こることが多くなり、逆に死亡率が増えることが分かりました。

糖尿病の治療は血糖とHbA1cを下げることが最も大切ですが、低血糖を起こさないこともそれと同じくらい重要です。

最近の薬は低血糖が起こりにくくなっていますが、種類も多く、患者さんにひとりひとりにあった薬を選ぶことが大切です。

2017年03月31日